CM75まであと24日
カラス
私は其れ程此の方面に明るい訳では有りませんので、知ってから日の浅い、其れも作品を数点拝見しただけの方に就いて語る事を寛恕下さい。
御本人の言に拠れば、其の作品は『シンプルでスタイリッシュなゴシック』を目指していらっしゃるそうです。残念乍私は管見にしてゴシックの定義を存じ上げません。何しろ嚆矢とされる『オトラント城』さえ読んだ事の無い浅学の徒で有ります故。唯、例えばゴシック的なる物として、奇怪や恐怖との何らかのリンクだと仮に定義付けするので有れば、暫し其の描きし所の人物に見られる血を滴らせる瑕や、或いは痛々しく縫合された傷痕で有るとか、日常の象徴とするには余りに異端(ヘレティカル)な服装や小道具が其れに当て嵌るだろうと思います。
いえ、此の場合は寧ろ其れ等全てを包含した、全体的にやや静的(スタティック)で何処と無く退廃的な雰囲気――と言った方が適当で有りましょうか。退廃的とは申しましても、其れは必ずしも顕然たる戦慄や狂気を意味しません。かと言ってナンセンスでは無く、唯唯とても闃然として居ます。
尤も、此れは酷く漠然とした物言いでは有りますし、『或る一面から見ればそうで有る』程度の普遍性しか有りますまい。併し乍、縦しんば如上の言が的を射て居らずとも、其の流麗なる線や幻想的――或いは怪異な――色彩に因って生み出された世界は充分に試みるに値する物で有ると存じます。(ヤスコ)
管理者 またはち